サイトトップ > 埼玉を元気にする人 > 2011年5月

天然無垢材を使用した“作品”づくりで時代を表現 (有)築地住建 代表取締役 築地文夫氏

やわらかな光の入る工房を訪ねて

   春の午後。花曇りの陽射しは、やわらかく暖かい。指し示されたドアを開くと、無垢の木材がふんだんに使われた部屋で、レンタルスペースとして希望者に開放している場所です。床に上がると、微かな温もりが柔らかく感じられます。
 目の前にあるテーブルは、幾すじもの割れが入り粗っぽさを見せつけながら、手のひらで撫ぜてみると、木肌は思いのほか優しいのです。
 窓からは光がはいり、その光のむこうには職人さんの働いている様子が見えます。
 

木造住宅への思いを語る

   この頃は、作業場で作業することは少ないのだそうです。とくに新築の場合は、設計図に沿ってプレカットを依頼し、作業を省略しているのです。ただ、増改築などのように使用する木材が少ないときには、自社で作業をします。同時に、職人さんが必要な技術を磨く機会にもしています。
 そして何より、職人さんたちが仕事をしているところを近隣の方に目にしていただき、活気をアピールしたい思いがあるそうです。
不躾にも私があちらこちらを見回しているのを、築地さんは静かに待ってくださいます。県下の飯能市で修行され、二十代で熊谷市に創業。三十年近い歳月、木造住宅と共に生きてこられた。築地さんの面差しからは、その自信と実績を伺い知ることができます。
そんな築地さんですが、独立、創業したばかりの頃は、当地に縁故もなく営業の方法も分からずご苦労をされたとのことです。それでも、一軒目の家を建てると、そこから紹介があり、さらにまた紹介がある、というふうに仕事がつながっていったのです。
築地さんの建てた家が、技術やセンスなどを雄弁に語ってくれたのです。

天然素材へのこだわり

  そして、築地さんにとって家は「商品」ではなく、「作品」なのだとおっしゃいます。商品を造っていたら、今の築地住建はなかったとも…。「作品」を見て、それを好んだ方が施主さんになってくださる。それが築地さんの仕事の流儀なのです。
それを裏打ちしているのが、優れた天然材を供給してくれる会社とビジネスパートナー契約を結んだことです。必要な木材を必要なときに入手できる。それは加工された材料ばかりの時代に、築地さんを強力にバックアップしています。
加えてその流儀を支えるのが、現場で汗をかく息子さんと職人さんたちです。長い経験の中で出会った腕の良い職人さんは、安心して現場を任せることができます。さらに今、息子さんも現場で汗を流しています。この時間、社長が事務所にいらっしゃっても、着実に「作品」造りは進んでいます。なお、その工程はブログで確認することができます。写真と、泣き笑いの文章をUPしているのは事務員さんです。
アレルギーなどの心配もなく、増改築しやすく、他の材料にくらべ耐用年数の長い天然無垢材を使った家は増えてきているそうです。
 木の家を吹き抜けるのは、日本が再生する時代の風なのかもしれません。
(取材/さくら地区会広報委員 池田恵津子)

会社概要

築地 文夫
(有)築地住建 代表取締役
埼玉県熊谷市佐谷田3060-4
TEL:048-520-1522
FAX:048-520-1523
URL:http://www.tukizi.jp

▲ このページの先頭にもどる

埼玉中小企業家同友会
copyright 2009 ecity saitama corp.