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人と伝統を大切に、そして最先端を アート印刷(株)営業部長 加藤早苗氏

大学では公認会計士をめざす

   史上2位という異常乾燥注意報が解除になった突然の雪の日に、会社を訪問することになりました。優しい笑顔のお二人が迎えてくれました。社長と加藤さんです。社長は元同友会の会員であられ、加藤さんのお父さんでした。お父さんを交えてインタビューをさせていただきました。
 加藤さんは大宮生まれです。富山県高岡市出身の社長であるお父さんが、大宮で印刷会社を創立させてから誕生した長女です。小中学校では水泳の背泳ぎの選手としても県体に出場する活躍をしていました。高校では水泳をやめて、厳しく育てられたようです。
 お父さんの故郷でもある富山大学で経済の勉強をし、公認会計士を目指しました。きっとお父さんは、目の届く範囲の自分の故郷で勉強させられるという安心感があったのでしょう。卒業後は東京で、印刷とは縁遠い重電関係のOLでした。そこで知り合ったのが、ご主人です。結婚を機に専業主婦になりました。加藤さんは男の子2人の母親であり、5月には3人目が誕生する日本的なかわいい感じの主婦です。

そして父親が経営するアート印刷(株)へ

   長く続く不況の中で、お父さんの経営するアート印刷(株)もIT関連の進化や紙離れの厳しい印刷業界の競争の中で、大きく変革していかねばなりません。
 6年ほど前です。お父さんは、2人のお子さんの育児に頑張っている加藤さんに、会社の戦力を求めました。ただ単に現場へ出るのではなく、社会への研ぎ澄まされた新しい感覚も必要です。社長は「昔の印刷は職人により作り上げる仕事だったが、今は刷るだけのことではないなあ。けれど、機械は大切に使っていきたいよ」とぽつりと昔話をしておられました。けれど、印刷業界はそれも乗り越えなければならない業界です。以後、加藤さんはアート印刷(株)の部長として、営業活動と印刷の新しい技術の導入に頑張っています。
 加藤さんが同友会に入会した動機は、元同友会の会員であった社長から、同友会で学ぶことを勧められました。加藤さんは入会時のことを「同友会に入会した初めての例会で温かい歓迎を受け、懇親会で親しく楽しい時間が過ごせ、例会だけは全て出席してみようかなと思いました」と話していました。

一人三役をこなす日々

   現在は、大宮南地区会で男性会員が圧倒的に多い中で、地区会はもとよりファムにそして県広報委員と大活躍しています。
 「私はデザインなど芸術的なことはそれほど得意ではないけれど、この仕事が好きなので続けてみたい。できればアート印刷(株)を子どもたちにも継いでもらいたいな」と、また自分のことはと尋ねると「今は子どもたちや会社が先で、その後かな」と言いながら嬉しそうな笑顔をしていました。
 そして、休みの日には《大宮アルディージャ》が大好きなご主人・お子さんたちと大好きなサッカーに興じています。家庭では妻兼お母さん、アート印刷(株)ではビジネスウーマン、中小企業家同友会では中核となるメンバー、と一人三役をこなしています。きっと3人目のお子さんが誕生しても、今以上に全てを完璧にこなしているでしょう。同友会活動も精力的に行っているでしょう。しかし、同友会としては、活動と育児についての何らかの考察が必要かなと思います。
 取材から帰る頃には雪もすっかり融けて、加藤さんの笑顔のような太陽が、暖かい日差しを注いでいました。

会社概要

アート印刷(株) 営業部長
加藤 早苗
さいたま市大宮区大成町2-175
TEL:048-666-3507
FAX:048-665-4246

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