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いつまでも街の観光屋であり続けたい (株)旅クラブジャパン 代表取締役社長 天野正幸

 地元のお客様を大切にしたい

  「一つ一つの仕事を大切にしていきたい。地域の学校や地域のお客様が大事ですね。何の商売でもそうだと思いますが、お互いの人間関係で成り立っているんですよ。今は昔の御用聞きの時代なんですね。」お客様は、大手の旅行会社の方が安心であると思いがちですが、最近は多くの会社が倒産しているのが現状です。「常にお客様の立場に立って仕事をすることが大切だし、だからこそ生き残れるんだと思います。大手よりも、地域を大事にしている小規模の会社の方が今は動いているんじゃないかと思います」と語る天野さん。社内の「お客様第一主義」の社訓が、ひときわ目立ちます。

憧れだけでは続かない

   創業は、12年前の平成10年。学校を卒業後、数社の旅行会社に17年ほど勤めていましたが、リストラされ独立。当初はあまり目立たないマンションの一室での創業でしたが、人通りの多い現在の場所に移転をしたところ、お客様の反応が変わったといいます。ある程度の店構えが必要だと実感しました。現在は13名の従業員を抱えるまでになっています。
 「人の問題が一番大変。この業界は憧れて入社してくる人が多いんだけど、ツアーの企画や添乗を通して、実際の業務はそうそう思い通りにはいかないんだよね。お客様の要望は人それぞれなので、どこかで壁にぶつかる。さらに旅行先にもかなり詳しくないと計画もあいまいになってくる。場所だけでなく、所要時間も・・・。」何人もの社員が入社まもなく辞めていったといいます。

バスの便を増やして独自性を打ち出す

   天野さんは、3年前に大勝負を賭けます。当時、同業者はバスの台数を減らしている中、旅クラブジャパンは5台より17台にまで増やしています。安くて手軽に移動できる高速バスに目をつけ、楽天トラベル(株)との契約により、「ミルキーウェイ」の商品名で、東京―仙台・石巻方面、富山・金沢方面、東岡崎・豊田・名古屋方面、大阪・京都・神戸方面、高松・徳島方面、福岡・小倉方面と、各地に定期便を出しています。バス内の設備も充実していて快適な移動ができ、本当に手ごろな価格設定となっています。もちろん利益は少ないといいますが、「バスをもっと増やしたい」と語る天野さん。現在さらに大手の観光会社より、定期便のオファーが来ているとか。実際に、取材後の食事時に電話がかかっていました。

同友会で気付かされたこと

   同友会には、10年前東部地区会に入会。「当初から直接仕事に結び付けようとは思っていませんでした。当時の会長・局長が素晴らしい人で、こんな人たちに近づけるのか。レベルの高い人たちが多く、仕事に対する姿勢が特に勉強になりました。」社員は常に社長を見ているので、すべてのことが自分のせいだと気づいたといいます。「入会してしばらくして、仕事が順調になり、あまり参加できなくなってしまいましたが、誘われたらいつでもすぐに時間がつくれる状態に早くなりたい」と話されていました。

24時間体制で仕事に向き合う

 各地で24時間動いている会社。事故・トラブル・クレーム等に関して、時間外の対応はすべて社長自ら行なっているそうです。そんな天野さんの趣味は、ゴルフ(今はお休み中)・仕事だそうです。
 「この仕事をしてきて良かったことは、お蔭様で子供2人が社会人になれたこと、自分ではなかなか行けない場所・高級旅館・ホテルへ行けること」だそうです。「普通の人は旅行が息抜きだけど、自分は仕事が楽しみ」と言う天野さんにとって旅行業は天職なのかもしれません。

会社概要

  (株)旅クラブジャパン
代表取締役社長
天野正幸 

越谷:越谷市千間台西5-3-58
TEL:048-978-6066
久喜:久喜市久喜東2-14-13
URL:http://www.tabi-club.co.jp/

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