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安さんの鉄博通信 >> No.7 ゆったりとご覧いただけるようになりました。

ゆったりとご覧いただけるようになりました。

ゴールデンウイークもお陰様で大盛況でした。今日から館内もだいぶ落ち着いてきました。
   インタープリター(解説員)、ボランティアとも余裕をもってご説明、ご案内できるようになりました。じっくりとご観覧いただけます。どうぞお出かけ下さい。

御料車を詳しくご覧下さい。

もちろん開館当初から展示されておりましたが、ゆっくりと見直す一番のお奨めは御料車のコーナーです。「御料車」とは皇族専用列車に使われる客車のことです。「御料」とは、高貴な方の所有物、利用物の意味で「御料牧場」と言う言葉もあります。
   明治時代の鉄道開業当初から今日まで、各時代ごとに様々な客車が用意されてまいりましたが、御料車はその時代の最高の車両製作技術と工芸美術の粋を結集して作られております。
   当館では、神田の交通博物館から移転した明治時代の「初代1号車」および「初代2号車」に加えて、新たに公開された大正時代の「7号車」「8号車」「10号車」「12号車」の合計6両が展示されており、「鉄道記念物」や「重要文化財」の指定を受けているものが殆どです。

特に7号車以降の4両は、当時としては例外的な全長20メートル級の大型客車であり、重厚な木造車として見るべきものが沢山あります。製造されたのはすでに90年も昔のことです。当時は未だ合板(ベニヤ板の様な)の技術が有りませんでしたので、厚さが3センチほどの板を使用しており、しかも一枚の長さが数メートルもあります。
   車庫で大切に保存されていたとは言え、狂いも無くピンとしていることが驚異的です。当館ではガラス越しの展示ですが、内側は恒温恒湿に保たれております。
   最も豪華な車両は大正天皇、皇后用の7号車ですが、車内は「御座所」「候所」「女官室」「御剣璽奉安室」など皇室の文化やしきたりを窺がわせる部屋に分かれています。壁面は、織物や絹の刺繍なども交えて豪華な装飾がほどこされております。
   9号車は食堂車、10号車は国賓専用車、12号車は皇太子専用車ですが、いずれ劣らぬ内外装となっています。

展示スペースの都合から、これらの4両は連結されておりますが、その編成で走行したのではありません。その時の用途に必要な車両だけを選び、その前後にお供の人達が乗る供奉車(ぐぶしゃ)を連結した5〜6両編成の特別列車(お召し列車)が仕立てられました。
   近年は皇族方の移動には新幹線や自動車の利用されたり、また電車の特別車両が用意されたため客車の使用機会は少なくなりました。昭和以降の御料車も何両かありますが、走行可能な車両は限られ、眼にする機会はめったに無いと思われます。
   大正時代の車両を見て、その後を想像するのも一興ではありませんか。

「ミニ運転列車」のご乗車が予約制になりました。

当館のパークゾーン(屋外エリア)の人気施設である「ミニ運転列車」は相変わらずお乗りになれない方が多く、大変ご迷惑をお掛けしております。
   運転間隔の改善により1日で50本の増発ができました。また、ご乗車の手続が従来の整理券方式から当日の予約制に変更されました。予約機の扱い時間は次ぎのとおりです。

1回目 10時から
10時30分から13時30分までの150列車分
2回目 12時から
14時から16時30分までの150列車分

しばらくの間は係員が予約機に立ち会って操作のお手伝いしております。    尚、悪天候の際は回復まで運休させていただいております。これは、ミニ列車がレールからの給電のため絶縁不良による信号トラブルを回避するためです。よろしくご理解下さい。

2008/5/7   鉄道博物館ボランティア   安川彰一