安さんの鉄博通信 >> No.12 「時刻表」の特別展が始まりました。
お久し振りです。おかげ様ですでに開館以来1年半を経過しました。小中学校の春休み期間や5月の連休中は少々込み合う場合もありますが、それ以外は落ち着いてご覧になれます。
ボランティアの仲間は団体のお客様のご案内やガイドツアーなどに頑張っております。黄色いユニホームを着用しておりますのでお気軽にお声掛け下さい。
4月22日から「時刻表」の特別展が始まりました。月刊誌としての時刻表の歴史は明治時代の中期から始まったそうですが、大正時代に創刊されて現在の「JTB時刻表」に継続されたものは今年の5月号で通巻1,000号に達したそうです。
その記念のため、出版社の協力もいただいて当館秘蔵の時刻表コレクションが公開されました。
最近の新聞やテレビでも紹介されましたが、専門の展示としては空前の内容と思われます。
時刻表通の方にはたまらない内容です。8月末まで開催される予定ですが、ご参考までに見どころやポイントをひろって見ます。
展示室に入るなり壁面一杯に飾られた合計1,500号あまりにおよぶカバー写真が迎えてくれます。「JTB時刻表」の1,000号までと「JR時刻表」の555号までの2系列にわたりますが、それぞれの号が時代や世相、鉄道の様子を物語っています。近年の号の中には見覚えの有るものが発見できるでしょう。
各時代のものが多数出品されており、一部のものは閲覧できます。(1925年から1986年のものまで10冊ほど)釘ずけになっている方が絶えません。
明治〜大正期の鉄道の様子が良くわかります。
東海道線品川駅のホームは海岸に接していたこと、中央線市谷付近のお堀端を2軸の蒸気機関車に牽引された旅客列車が走っていたことなど珍しいものばかりです。
欧亜連絡切符(東京〜ベルリンなど)はどんな人が使用したのでしょうか。
関西地区、九州エリアをはじめ地域別の時刻表のほか、私鉄各社(東武、京成、西武、小田急など)の時刻表が一堂に会しております。実際に発行されているものの幅広さに驚きます。
調査、製作過程が写真や図で説明されています。
収録された鉄道会社からのおびただしい量の情報資料、ゲラ刷りによる徹底した校正など思いのほか手作業が多いことがわかります。
展示物の図録(800円)が館内売店の限定販売で用意されています。宣伝のつもりでは有りませんが、時刻表趣味の集大成として圧巻です。お奨めです。
2009/4/30 鉄道博物館ボランティア 安川彰一