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取引先は共に歩むパートナー 新しい認識が経営を変えた!〜株式会社ハーヴィインターナショナル 代表取締役 切山英彦〜

2008年度彩の国経営革新モデル企業に指定された、株式会社ハーヴィインターナショナルの代表取締役 切山英彦氏。2007年にオープンしたアンテナショップのオープンを訪ね、経営に対する思いの変化について語っていただきました。

「ハーヴィーズ」のスープでスパイスの奥深さを知る!

  漆喰の壁と地元飯能の木材「西川材」を使用したフローリングが、なんともいえない居心地のよさを作り出している店「ハーヴィーズ」。2007年6月のオープン以来、スパイスの奥深さを味わえる魅力に、毎日のように訪れるリピーターも多いそうです。
 人気メニューの「鶏肉の薬膳スープ」(600円)は「医と食の源は同じ」・・・そんな医食同源の思想の基に作ったスープです。生姜、高麗人参エキスパウダーなど、美容効果が期待できそうな食材を使用しています。「バクテー」(600円)は、中国人がマレーシアに伝えたとされる、骨付き豚肉をたっぷりのスパイスで煮込んだスープ。スパイスと紹興酒、醤油の素朴で奥行きのある味わいです。オススメのスープセットは、ドリンク、ミニサラダ、デザート、パンまたはライスが付き、かなりボリュームがあります(パンのセット1050円、ライスのセット1000円)。

アンテナショップ「ハーヴィーズ」誕生の意義

 ハーヴィーズを運営する潟nーヴィーインターナショナルの切山英彦社長は、アンテナショップのオープンに至る経緯をこう振り返ります。「配合調味料製造に携わる中で、求められた味を提供するという姿勢から脱却し、提案したい味を自ら作り出したいと思うようになりました。消費サイクルが短くなり、少子高齢化に向う中、市場は縮小していきます。今までと同じ売り方では売れなくなるとの思いからです。
 提案したい新しい味をダイレクトに伝えたいとの思いからハーヴィーズをオープン。ここでの顧客の反応を基に、逆にメーカーに提案できる場面も出てきたと、手ごたえを語ります。

会社に対する思いが180度転換

  切山氏の意識の変化と、会社の根幹をも変える変化には、同友会への入会が大きかったと、当時を振り返ります。脱サラし、1984年に潟nーヴィーインターナショナルを設立した切山氏は1992年に埼玉同友会に入会しました。「入会の翌年、93年の中同協第25回定時総会(北海道))で発表された『21世紀型中小企業』(注)に大きな衝撃を受けました。それまで会社は利潤だけを追求するところだと思っていたのです。ですから『地域社会から高く評価』され、『社員が誇りを持ち労使が高い次元で団結』する企業こそ、これからの時代に求められる企業であるという考えに驚くと同時に深く共鳴しました。以来、同友会活動にはフル参加し、1997年に経営指針セミナーにて経営指針を成文化しました」。

経営理念を掲げることで意識が変化

   経営理念は、「食文化の向上に貢献」する企業使命、「正直、素直、公正な経営に徹」する経営姿勢、「顧客の個別ニーズに応える商品開発に全力を尽」し、「働くことを通して豊かな人間性を開発します」という社訓・社是から成り立っています。理念を成文化することの最大の効果は、社長自身の経営への想いに自信が生まれたことです。それは社員に対する発言の重みとなり、主要取引先となる大手食品メーカーに対しても、決してへりくだることなく「食文化の向上に貢献」をめざすパートナーとして対等な関係であると自負することが出来るようになりました

 製品のブランド化を目指して

  この考え方は、その後2002年に承認を受けた経営革新計画につながります。これまでの顧客認識を変革し、主要顧客である加工食品会社をビジネスパートナーと位置づけ、ハーヴィの「こだわり」を理解してくれる一般消費者こそ真の顧客である、と定義しました。市場提案型の自立型企業をめざす革新計画の第一歩が冒頭に紹介した、所沢市内のアンテナショップ「ハーヴィーズ」です。同社のスパイスを使用した各種スープ類を目玉とするレストランとして、開発と営業を兼ね、同社製品のブランド化を目指しています。定期的にキッチンセミナーやミニコンサートなどを開催し、地域に根ざした取り組みは、1月に“2008年度彩の国経営革新モデル企業”にも指定され、今後のさらなる活躍が期待されています

  経営理念
一、 食べ物の本質を見すえて独自の味を創造し、味をもって健康で豊かな食文化の向上に貢献します。
一、 正直、素直、公正な経営に徹し、誇りと働き甲斐のある高次元経営をめざします。
一、 味のトレンドを先取りし、顧客の個別ニーズに応える商品開発に全力を尽くします。
一、 自発的こだわりの精神で専門分野を深めて、組織に貢献し、働くことを通して豊かな人間性を開発します。


株式会社ハーヴィインターナショナル 
代表取締役 切山英彦 
埼玉県所沢市御幸町7−67−6
TEL:04−2921−2071
URL:http://www.harvey-j.co.jp/index.html 
切山氏は2008年7月埼玉で開催された第40回中同協総会にて実行委員長として活躍。自社経営においては同友会にて経営指針を成文化後、2005年度埼玉県経営品質協議会推進賞受賞、2008年度彩の国経営革新モデル企業に指定される等、企業革新に取り組んでいます。

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