地域の特性を発信するフードショップの運営 �潟Tイセン 取締役社長 金子　章

永森茂社長（大宮東地区会会員、さいたま市見沼区）が経営する（株）シチケンは、特殊塗料に特化した住宅リフォーム・塗装業です。昭和一桁生まれの塗装職人である父親の下で修行を積み、昭和の大改修といわれた迎賓館の補修事業では総責任者の父のもと塗装のイロハを学び、さいたまスーパーアリーナの塗装工事では職長を務めた実績をお持ちです。1996年に父親から独立し事業を始め、2000年に法人として設立しました。

『町場』と『野帳場』のはざまで

建築の現場には『町場』（一般住宅）と『野帳場』（超高層ビルや、大きなマンション等）と大きく2種類に分けることができます。『野帳場』では設計者はデザインを考えることがもっとも重要になり、塗装は全体の工事の中の単なる『仕上げ』といった側面が強くなってしまう傾向があります。野帳場と町場の両方の仕事に携わる中で、「利用者のニーズや建物に対する想い」と「塗装職人としてこだわりや想い」が重なるのは町場の工事であることを、次第に実感するようになってきたそうです。

価格競争の中で見えてきた道

こうした想いから、10年前より町場の個人住宅を中心とした営業に切り替えていきましたが順調には進みませんでした。塗装業界もピンからキリまで様々な業者があり、残念ながら「安かろう、悪かろう」という姿勢の業者もあります。しかしながら、お客様にはその見分けがつかない。塗装作業の本当の良し悪しが結果に表れてくるのは数年後になってしまうからです。作業の質を落とすことで価格を安くし、消費税さえ払っていないような業者に、仕事を取られてしまう悔しさを随分と味わいました。

このような背景の中で、価格競争に巻き込まれず、質の高い塗装技術で勝負できる分野として、特殊塗料を使った一般住宅リフォームを中心とした塗装業に特化していくことを決意しました。特殊塗料には耐久性、防水性、防カビ、遮熱、防汚など様々な機能があります。それぞれの塗料の特性を生かした提案ができる商品知識とそれを裏付けるための実績データの積み重ねがなければ、その機能は発揮することができません。そして、十分な経験にもとづく確かな塗装技術がなければなりません。ここに現在のシチケンの強みがあります。

新潟県中越地震でのボランティア

2004年に新潟県中越地震が発生した際は、特殊塗料技術を生かしたボランティアにも取り組みました。小千谷市の仮設プレハブ住宅の屋根に遮断熱塗装作業を行ったのです。屋根の表面温度を抑えることで室内温度を４０度から３２度にまで下げることが出来ました。材料費や諸経費（約150万円）はすべてシチケンが負担。「ボランティアから帰って数日して、被災者から泣きながら感謝の電話をもらった。うれしかった」

特殊塗装分野のオンリーワン企業をめざして

シチケンでは、営業担当者は必ず現場作業を経験させることにしています。これにより商品や塗装技術に関する知識と経験を兼ね備えた営業担当者として、お客様の疑問に自信を持って答えることが出来るのです。また、下請け業務の受注は行わず、すべて個人住宅や事業所からの直接元請作業です。それゆえに、常に新規開拓営業を続けなければなりませんが、「（新規で）仕事をとり続けなければならない苦労はあるけれど、仕事を上からもらえず待っている辛さよりはいい」と語ります。新卒で採用した営業社員たちもしっかり成長しており、永森社長自らが若手社員達と一緒に富士登山にアタックするなど、さらなる躍進をめざすオンリーワン企業がここにあります。　

会社概要

株式会社　シチケン
代表取締役　永森茂
埼玉県さいたま市見沼区東門前47-1
TEL：048-682-1666
FAX：048-682-1665
URL：http://www.sitiken.com/index.php