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税務相談を越えた提案のできる税理士を目指して〜矢崎会計事務所

女のクセに生意気?

  「私って生意気に見えるんでしょうか・・・」「ん?いつもニコニコして穏かな人柄に思えるけど?」「でも、『女のクセに生意気だ!』と言われて、2度も税理士事務所から解雇されてるんですぅ。」(笑)と、明るく?始まった取材。岩槻市で会計事務所を営む30代の若きレディをご紹介します。
 高校生の頃から漠然と資格を持って独立開業できる職種をイメージしていました。「自分はコレをやっている!」という手ごたえのある仕事を求めていましたね。就職は、ちょうどバブルの後の氷河期だったこともあって求人も少なく、じゃあ、税理士でも目指すか・・・、と大学院に進学しました。大学院を出ると、税理士試験の5科目のうち3科目が免除されるので。
 24歳で大学院を卒業した後、実務を学ぼうと会計事務所に就職しました。あと1科目で資格が取れるという私は、他の所員(無資格の人がほとんど)には疎ましい存在だったのでしょう。「どうせ、客を取って辞めるんだろう?!」と言われて。そんな状態で、半年後には別の事務所に移籍しましたが、ここでも同じことの繰り返し。入所してすぐに税理士試験に受かり、所長に報告したところ、「おめでとう」と言われるどころか、開口一番「受かったからって給料上げねぇからな!」と言われて、打ちのめされました(笑)。
 ここでも、同僚に疎まれ「矢崎さんの分の入力はおことわりよ!」と入力担当の女性に拒否されたり、所内に専用機が足りないので使われていないパソコンで仕事をしていたら、サボっていると怒られ・・・。残業代はもとより、ボーナスはもらえない、交通費はカットされる。そんなつらい状況の中でも、何とか1年半頑張れたのは、直属の上司が良い人で、経験も豊富で、いろいろ教えてもらえたからでした。その人には今でも、困ったことがあるといろいろ教えてもらっています。

28歳で独立開業

 その後、企業の経理部に一年ほど在籍した後、28歳の時に独立開業しました。以前いた事務所で「お客を取るんだろう?!」と言われたこともあって、絶対、前の職場で知り合った会社からは仕事をもらわない、と決めていたので、独立したもののお客さんが一人もいません。そんな中、商工会議所の創業塾講座で知り合った人から、仕事をいただきました。それからは、口コミで少しずつ、お客さんが増えていったのですが・・・。交通事故にあってしまって。一年程は、体調が悪くて仕事どころではありませんでした。
 31歳になって体調が戻ってきた頃、知人の紹介で同友会に入会しました。同友会はいろいろな業種の人と話ができるのが楽しく、皆さん、経営者的な発想で話をされるので、刺激になります。また、昨年は、地区会の例会で会社法の講師をやらせていただき、とても勉強になりました。それと、グループ討論という方式が良いですね。商工会議所で簿記講座の講師をやった時にグループ討論を導入したところ、参加者に非常に好評でした。

子育て期の女性を応援できる職場にしたい

   仕事のスタンスとしては、「安い顧問料でたくさんのお客さんを取る」より、少数のお客さんと深く関わって、税務以外の相談にも幅広く応えられる存在でありたいと思っています。最近は、顧問先のホームページの開設のお手伝いも始めました。ITに不慣れな社長さんでも、ホーム―ページの更新が簡単にできるシステムを提案しています。税理面だけでなく、業績アップのお手伝いもしたいと。また、法学部出身ですから、他の税理士さんに比べて、民法や会社法など税法以外の法律にも詳しいところが、強みかな。でも、お客さんに深く入り込みすぎて、夜中まで電話が来たり、まったく守備範囲を超えたところまで要求されたり、と、税務顧問としての線引きの難しさを今、感じているところです。
 今は自宅で一人で細々とやっていますが、いずれは、子育て期の女性に働く場を提供できるような事務所にしたい。時給で働いてもらうのではなく、出来高制で働ける場を作ってあげれば、子育てで会社に出勤することが出来ない人でも、空いた時間をやりくりして、やりがいのある仕事ができると思うんですよね。そういう意味では、税理業務は女性に向いていると思います。
 学生時代は、射撃部に所属していたという矢崎さん。最近は、中東のイエメンに旅してきたと言うし、なかなかの骨太?これからの活躍が楽しみです。

 

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